研究主題について

 新学習指導要領には,学校で学んだことが,子どもたちの「生きる力」となり,社会がどんなに変化して予想困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動することで,それぞれに思い描く幸せを実現し,明るい未来を創ることができるようにという願いが込められている。そのために,「何のために学ぶのか」という学習の意義を共有しながら,子どもたちが「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」という「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善が求められる。子どもたちが見通しをもって,「粘り強く取り組む力」や,自分の学びを振り返り,「次の学びを社会生活に活かす力」を育むために,子どもたちが仲間や自己と対話しながら,一つひとつの知識がつながり「わかった。」「おもしろい。」と思える授業づくりが私たち教職員の課題であろう。

 本校は,昨年度までの4年間,「対話的な学びを通して,自らの学びを自覚し,表現できる子どもの育成」を研究主題として研修を進めており,昨年度は,児童一人ひとりが「深い学び」を実現できるよう,①ねらいに迫るための「対話的な学び」,②自己の学びを見つめ直す「振り返り」の二つに焦点を当てて取り組んできた。その成果として,授業の中で自分の考えをしっかり伝えようとする児童が増えてきた。また,効果的な問い返しや授業半ばでの振り返りを行うことにより,子どもたちが少し立ち止まって考え直す姿や,友だちの考えを自分の考えと比較しながら考え直す姿が見られ,対話の資質向上が感じられるようにもなった。振り返りにおいても,自己の変容に気付くものや,友だちと考えを共有し,練り直すことの面白さに触れるものも見られるようになった。しかし,その反面で,設定された対話はできているが,もう一歩踏み出して自ら新たな課題を見出して疑問を投げかけることや自己の学びを具体的に表現することについては,まだ課題が残る。

 今年度は,深川小スタイルを活用した学力向上につながるよう,新たな研究主題を設定して授業づくりに立ち戻った研修を行っていく。これは,若手が増えてくる中で,確かな授業力が求められる今だからこそ必要な研修だと考える。授業は一方的に行うものではなく,子ども同士の対話や子どもと教師の対話を通して探究し,考えを広げ,深めながら進めていくものである。そのためにも,子どもたちが考え,話したくなるような発問が大切となるのではないだろうか。また,ICTが発達し,学習に多く取り入れられるようになったからこそ,板書についても再度見つめ直し,経験ある先生方から学ぶよい機会となるであろう。経験年数に関わらず,子どもたち一人ひとりが充実した学びをし,確かな力を付けることができるように,全教職員で教材と向き合い,子どもたちの意欲が高まるような授業づくりを実現していきたい。

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